第2-a回:できればお金をかけず美しいPDFを作りたい

WindowsのWordなどで作成した文章ファイルをAcrobatを使わずにPDFに変換しようという目論みです.おとなしくAcrobatを買えば済むハナシなのですがLaTeXユーザとしてはPDFを作るのにお金を払うという文化にはなんとなくなじめない.ということでフリーのフォントとソフトを使ってPDFに変換する手法を検討してみました.本ページの内容は普段LaTeXを使われている方やコマンドラインプログラムを普通に使える方が対象です.なお 筆者の環境は以下の通りです.

Win2000Pro+Cygwin+pLaTeX+gs7.04+M$Office2000

ps2pdfについて
PSファイルからPDFを生成するコマンドラインプログラムです.GhostScriptに含まれています.ただしもともとのPSファイルに適切なフォントが用いられていないと ビットマップ化して埋め込まれます.これではきれいでない上に容量も大きくなってしまいます.

Acrobatを使わずにWindowsの日本語文章をPDFにする
Windows2000ならば日本語OpenTypeフォント(OTF)をOSにインストールすることによって,美しいPDFを作成できます. OTFはPDFに埋め込まれるのでファイルサイズは若干増えます.しかし圧縮率が非常に高いのでそれほど負担にはならないでしょう.
例えば,OTFを使って書いたWordの文章をPSプリンタドライバを使ってファイルに印刷してみましょう. このときデフォルトの拡張子はprnですが,psに変えておくと良いです.そしてこれをps2pdfを用いて変換すればOKです.うまく変換できない場合は文章にOTF以外のフォントが混じっている可能性があります.
ただしOTFを使って文章を作ってしまうとWordの文章としては配布困難なものになってしまいます (同じフォントをインストールしている人しか正しく再現できない).Word文書としての配布も考えて いるならばM$系のフォントで書いて保存しておいて, コンバートするときだけ全選択して字体だけ変えるといいでしょう.ただし字間などが変化することがあり,レイアウトにも影響する可能性があります.
問題は使えるOTFをどうやって手に入れるかです.日本語OTFを買うとアクロバットの比ではない恐るべき値段がします. フリーでは東風フォントのOTF版を狩野さんが提供されています.まだ未完成ということですが現状でも結構使えます.その他試用可能のものとしては, AXIS Font がありますが,論文とかオカタイ文章には向いてません(建築・デザイン系だったらアリかな?AXISだし).筆者は最近のIllustratorを持っているので,それに付属していた小塚Std系OTFも利用可能です. でも半角英数が混ざったような文章だと,ときどき字ツメが変になる現象を確認しています.
ちなみに英文の場合はもともとOTFなものが結構あるので,それらを使えば良いでしょう. どのフォントが使えるかはFONTフォルダーで確認してね.Win2000以前でOTFを利用する場合は,ATMLiteを入れれば使えると思われます(未確認).

(ちなみにMacOSXにはヒラギノ系の大変すばらしいOTFが入っていますが,これをWindowsに入れるとライセンス違反に なるのでやってはいけません.でもMacにVirtualPCをあげてその中で使ったらセーフかも. そこまでやるんだったらMacOffice買えって感じですね.)

MacOSXの場合,OSの機能であるプリントセンターでPDFをサポートしてるので,印刷からPDFで保存を選ぶだけでOKです.

数式等を扱う際の注意!!

Wordの数式エディタ(M$ 数式3.0)で数式を書く場合,「スタイル」→「スタイルの定義」で, 「文字列」のフォントをあなたのインストールしたOTFにしておく必要があります. その他オブジェクトのフォントも同様です.

 

OTF東風を用いたWord文章をPDFにしてみたテスト

 

記:2003年3月27日